極私的アルバム評その273 - Sunn O))) 「Black One」 | 雑文にて候

極私的アルバム評その273 - Sunn O))) 「Black One」

雑文にて候-Black One

Sunn O)))
「Black One」

01. Sin Nanna
02. It Took The Night To Believe
03. Cursed Realms ( Of The Winterdemons )
04. Orthodox Caveman
05. Candlegoat
06. Cry For The Weeper
07. Bathory Erzsebet

アメリカ出身のドローンメタルバンド、SUNN O)))の通算6枚目のアルバム。

ドローン(英: drone)とは、単音の変化の無い長い音のことを表すが、ドラムレスで、ノイジーなディストーションを効かせた強烈に歪んだギターとベースが、メロディもはっきりとした曲構成も無いリフを、ひたすら執拗に繰り返す様は、非常に実験的でアバンギャルドであり、正にドローンなサウンドであると言える。

前衛ミュージシャン、オレン・アンバーチやブラックメタルのヴォーカルによる、ヴォーカルとはとても言えない叫び声や呻き声も随所にフューチャーされており、黒い僧衣を身にまとったメンバーの不気味なルックスと相まって、非常に禍々しくもダークな音世界が展開されている。

ボリュームを上げてスピーカーで聴けば、余りのヘヴィな低音にビリビリとノイズが入り、イヤホーンで聴けば、決して大袈裟ではなく音圧で体全体が揺れるような感覚を覚える。まさに耳から入った音が三半規管を揺らし、まるで頭や内臓が波打つような感覚になるのだ。

長時間聴くのは辛いのに、ついつい何度も聴いてしまう、まるで麻薬のようなノイズの洪水。

闇の世界に引きずり込まれそうな不気味なジャケットを眺めながら聴くと、体に不調をきたすかもしれない、ある意味非常に危険なサウンドだ。