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極私的アルバム評その280 RATT 「INFESTATION」

雑文にて候-RATT-in

RATT
「INFESTATION」

1.Eat Me Up Alive
2.Best of Me
3.A Little Too Much
4.Look Out Below
5.Last Call
6.Lost Weekend
7.As Good as it Gets
8.Garden of Eden
9.Take a Big Bite
10.Take Me Home
11.Don’t Let Go

RATTは昔から非常に好きなバンドだが、自分の中では5枚目のアルバム「DETNATOR」で止まってしまっていた。

アルバムを引っさげての来日公演を中野サンプラザまで見に行ったのだが、その時点で何故かRATTは終わったという感じがした。

事実、その後ロビン・クロスビーの脱退、グランジの台頭もあり1992年にバンドは解散。その後1997年の再結成を経て「COLLAGE」、1999年には「RATT」とアルバムを次々とリリースするものの、フロントマンのスティーヴン・パーシーの脱退、再度の解散、ロビン・クロスビーの早すぎる死など、ネガティブな状況が続き、もうRATTは完全にHR/HMシーンに戻ってくることは無いと思っていた。

しかしバンドは劇的な復活を遂げた。実に11年振りの最新アルバムは一度聴いただけで虜になってしまった。ともかく良い。

特徴的で個性的なスティーブン・パーシーのヴォーカルはいまだ健在で、意外といっては失礼だが、実にしっかりと歌えているし、多くのギターキッズに影響を与えてきたウォーレン・デ・マルティーニの独特のフレーズとトーンで奏でられるギターも実にフラッシーで刺激的。ボビー・ブロッツァー、ロビー・クレインのリズムセクションもタイトでドライブ感も抜群。カルロス・カヴァーゾの貢献度も非常に大きく、ソングライティングの面でも、ロビン・クロスビーを思わせるプレイでの、ウォーレンとの絶妙の絡みなど、実にいい仕事をしている。

ともかく全てが渾然一体となって、聴いていて実に気持ち良い。80年代に夢中になったあの頃の熱い気持ちを呼び覚まさせてくれるような、正にファンが求める理想的なRATT像が体現されているアルバムと言える。

キャリアを重ねたバンドが、ここまで躍動感溢れる若々しいサウンドを作ってくるとは、正直非常に驚かされた。

今年のLOUDPARKで来日との噂もあるようだが、実現したら何としてでも足を運びたいものだ。

蛇足だが、恥ずかしながらリーダートラック②のPVを見て思わず涙してしまった。スティーブンがあの声で歌い、ウォーレンが「パイソン」モデル(パイソンの革を表面に貼ったお馴染みのモデル)をフラッシーに弾く姿を見たら、泣かずにはいられないでしょう!?

極私的アルバム評その279 THE POODLES 「CLASH OF THE ELEMENT」

雑文にて候-poodles


THE POODLES
「CLASH OF THE ELEMENTS」


1. Too Much Of Everything
2. Caroline
3. Like No Tomorrow
4. One Out Of Ten
5. I Rule The Night
6. Give Me A Sign
7. Sweet Enemy
8. 7 Days & 7 Nights
9. Pilot Of The Storm
10. Can't Let You Go
11. Don't Rescue Me
12. Heart Of Gold
13. Dream To Follow
14. Wings Of Destiny
15. I Rule The Night〔ACOUSTIC VERSION〕(Japan Only)
16. I Rule The Night〔LIVE VERSION〕(Japan Only)


FORTUNE、TALISMAN、MIDNIGHT SUNなどで活躍した歴戦の強者メンバー4人によるTHE POODLESの3rdアルバム。


音楽的には80年代を思わせる適度にグラマラスでメロディアスなHRであり、WIG WAMを想起させる部分もあるが、リーダートラックの⑤を初め、ドラマティックな①、キャッチーな②、哀愁のバラード④、⑭など、より哀愁味が強いサウンドで、北欧ならではの心に染みる哀愁のメロディと適度なキャッチーさ、ポップさが絶妙に混じり合ったサウンドは、いかにも日本人好みのものであると思う。


さすがに歴戦の強者揃いのバンドだけに、ヤコブ・サミュエルの力強くハスキーなヴォーカルを初め、インストゥルメンタル部分の安定感も抜群。


WHITESNAKE、AEROSMITH、AC/DCといった数々の大物アーティストを手掛けてきたマイク・フレイザーのミックスによる抜けの良い音作り、シンプルでありながらもゴージャス感が漂うサウンドは聴いていて実に気持ち良い。


安心して聴くことができる良いアルバムだ。

極私的アルバム評その278 - NOCTURNAL RITES 「THE 8TH SIN」

雑文にて候-nocturnal rites


NOCTURNAL RITES

「THE 8TH SIN」


1. Call out to the World
2. Never Again
3. Not the Only
4. Tell Me
5. Not Like You
6. Leave Me Alone
7. Till I Come Alive
8. Strong Enough
9. Me
10. Coming Home(Japan Only)
11. Pain & Pleasure
12. Fools Parade


正統派のHMを提供し続けるNOCTURNAL RITES、通算8枚目のアルバム。


このバンドは個人的に大好きなバンドである。


前作同様、ミドルテンポの楽曲が大半を占めるが、メロディの持つ煽情力は益々高まり、ジョニー・リンドクヴィストの熱く、哀愁味溢れる絶品のヴォーカルと、更に練りこまれたメロディ展開が秀逸なアルバムに仕上がっている。


ピアノをバックに、エモーショナルにメランコリックに歌い上げる絶品のバラード⑧があるものの、後半は若干テンションが落ちる感じも受けるが、前半①~⑤の緩急織りまぜた畳み掛けるような展開は圧巻で、全体的に見て非常にバランスの取れたアルバムであると思う。


どの曲も熱くパワフルで、ドラマティックでキャッチーなメロディが随所に盛り込まれており、よりメジャー感が増したアレンジ・サウンドプロダクションも含めて、これぞ正統派HMという展開はHR/HMファンであれば、思わず喝采を上げたくなるであろうし、彼らをよりメジャーな存在に高める力を持った力作と言えるだろう。


古い話で恐縮だが、「LOUDPARK07」を見に行った時、彼らのライブを体験することができた。
ライブ自体は時間も短く、バンドのパフォーマンスもベストとは言えない状態だったが、貴重な体験が出来たし待ち時間に行われたサイン会にも参加することができ、メンバー全員のサインを貰うことができた。


雑文にて候-nocturnal rites2


ちなみに写真に写っているのがその時購入したアルバム。実はこのアルバムは既に購入済みだったのだが、サインを貰うために思わずもう1枚購入してしまった。今思い出しても自分でもアホだなと思う。